レストランを経営するうえで、材料の仕入れは非常に重要です。仕入れが高くなれば利益率は下がり、常に安定して仕入れられなければ、メニューが決まりません。一方で、安いからといって、野菜や果物の鮮度を落とせば顧客満足度は下がり、リピートにつながらなくなります。安くておいしい野菜や果物を、安定して仕入れるためには、仕入れ先をどのように選べばよいのでしょうか。
本記事では、レストランの野菜仕入れ方法と仕入れ先の選び方について、詳しく解説します。
レストランの野菜仕入れ方法
野菜や果物の仕入れ先は、いくつかあります。レストランのコンセプトや経営方針にあった仕入れ先を選ぶとよいでしょう。
また、一か所だけでなく、いくつかを組み合わせて使用することをおすすめします。
八百屋やスーパーマーケットで仕入れる
八百屋やスーパーマーケットでの仕入れは、万遍ない品揃えと、手に取って商品を確認できる点がメリットです。また、取り扱っている商品は一般家庭用のため、少量から購入できます。
ただし、レストランの仕入れは量が多いため、スーパーでは対応が難しいでしょう。また、金額も高めに設定されているため、仕入れとしては割高です。
材料の在庫切れのような、緊急時の仕入れの確保に向いているといえます。
生産者との直接取引で仕入れる
生産者と直接取引し、契約農家を持てば、安定した価格での仕入れが可能です。
産地や品種にこだわりがある経営者は、契約農家を探してみるとよいでしょう。最近はインターネットやマッチングサイトなどで見つけられます。
こだわり商品の仕入れができる一方で、不作の年があることは避けられないリスクです。また、こだわりが大きければ、仕入れのコストは高くなります。仕入れの全てを契約農家にすることは難しいでしょう。
業務用専門スーパーや市場で仕入れる
市場には地元の新鮮な食材が安価でそろっています。新しい食材や珍しいものも多く、旬で最先端の食材の宝庫といえるでしょう。
ただし、市場には独自のルールや支払いのシステムがあり、経営初心者には介入しにくい場所といえます。また、1週間に2日程度休みがあり、仕入れのできない日が出てきます。市場から仕入れる場合、お店の在庫のやりくりが重要です。
市場の他に、業務用のスーパーマーケットは、価格も安く品ぞろえも豊富です。ロットもさまざまにあり、大量仕入れに対応する店もあります。レストランの近所に業務用スーパーがあるなら、仕入れ先として候補に入るでしょう。
自家農園する
自分で種から育てる自家農園は、珍しい種類の野菜を作ったり、完全無農薬で栽培したり、強いこだわりを出せます。他店と差別化する大きな武器になるでしょう。
一方で、自分で育てる労力は大きいといえます。場所の確保・管理・雑費のコストなども必要です。天候に左右され、十分な量の確保が難しく、質を高めることも大変です。
最初は、栽培が簡単なハーブや野菜など、プランター栽培で手軽に始められるものから行うことをおすすめします。
卸売業者で仕入れる
卸売業者は、品揃えが豊富で、飲食店用に加工された物を多く取り扱っています。安定した量の仕入れにも対応しているため、非常に便利です。
発注の仕方は、多くの場合、欲しい商品の在庫を確認して見積をとり、後日届く形です。担当がついたり、かけ払いに対応していたりと、飲食店経営には何かと便利でしょう。
一方で、商品を手にとって選べず、その都度見積りをとることが必要です。価格も市場の影響を受けやすいといえます。
飲食店にとっては利用しやすい商品が多いため、うまく取引するとよいでしょう。
仕入先の選び方
レストランが流行るかどうかには、魅力的なメニューに加えて、食材の仕入れが大きく影響します。
ここでは、仕入れ先を選ぶ際の判断基準となるポイントについて、詳しく解説します。
適切な価格であるか
飲食店の仕入れでは、原価率が非常に重要です。仕入れ値が安ければ、その分多くの利益を生み出せます。できるだけ安く仕入れるために、まとめ買いをしたり、送料や手数料を見直し、相見積をとりましょう。
例えば、国産野菜はブランドとして魅力がある一方で、輸入品と比べて仕入れの費用が高くなります。メニューの重要な部分を見極め、うまく取り入れるとよいでしょう。
品質は良いか
どれほど価格が安くても、品質が悪ければ、おいしい料理を提供できません。お客様の不評につながれば、リピートはおろか、経営さえも難しくなる重要な部分です。
前述した原価面とのバランスが大切です。店のコンセプトを考え、ターゲット層の求めるニーズに合った仕入れ先を選びましょう。
安定した仕入れが可能か
決まったメニューを提供する飲食店では、基本的に毎日同じ商品を仕入れます。そのため、安定した仕入れができるかはとても重要で、メニューに載っていても材料を仕入れられない日があると大きな問題です。
また、急な団体客の予約が入り、至急の仕入れや、量が必要になることがあります。そのようなときに柔軟に対応している業者との関係作りや、サブの取引先を見つけておくことが大切です。
レストランのコンセプトに合うか
レストランのコンセプトを考えることは、大変重要です。
オーガニックにこだわった料理を売りにしているのなら、オーガニック野菜に強い仕入先を確保しなくてはなりません。
必要な食材は、提供する料理のジャンルや、レストランのカラーによって全く異なります。
珍しい食材が必要になることもあります。輸入食材に強い卸売業者もあるため、インターネットや口コミも利用して探すとよいでしょう。
また、小ロットからの販売に対応するかは重要です。一度に大量ロットで仕入れると、単価が安くなることはありますが、使いきれずに廃棄することになる可能性があります。また、保管する冷凍庫を確保する場合でも、その分のコストが余計にかかってしまいます。
卸売業者を利用するメリット
飲食店の仕入れ先として、最も多く利用されるのは、卸売業者でしょう。さまざまなジャンルに対応した豊富な品揃えは、経営者にとって利用しやすいためです。
すでに下処理した加工野菜のような、手間や人件費を省いた「かゆいところに手が届く」商品も多く取り扱っています。
大量発注が可能で、小売店より安く仕入れられる点も利点といえます。
新しい商品や珍しい商品の情報に強く、レストラン経営をする上で、心強いパートナーになるでしょう。
卸売業者を利用するデメリット
卸売業者の利用は、一般的に、「担当者に連絡」→「商品の有無を聞く」→「見積をとる」→「商品が届く」という手順を踏みます。
取扱い商品はプロが厳選した商品ばかりですが、前述のように、自分で見て選べないことはデメリットといえるでしょう。
業者や商品によっては、小ロットに対応していなかったり、送料が高くなったりすることがあります。仕入れ商品を厳選し、うまく活用しましょう。
まとめ
レストランやカフェ経営では、野菜や果物の仕入れは非常に重要です。
珍しいメニューや、色とりどりのおしゃれな盛り付けは、魅力的な食材があってこそのものです。
常にアンテナを張って情報を集め、複数の仕入れ業者とうまく付き合うことをおすすめします。そうすれば、仕入れ業者は飲食店経営の上で、心強いパートナーになるでしょう。
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レストランでの野菜仕入れについて、お困りごとがあればお気軽にご相談ください。
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