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野菜の鮮度はなぜ落ちる?食べ頃はいつ?野菜の仕入れで重視するポイントも解説

野菜の基礎知識を紹介!
野菜の鮮度はなぜ落ちる?食べ頃はいつ?野菜の仕入れで重視するポイントも解説
更新日: 2023年09月06日 公開日: 2024年04月09日

野菜を仕入れるなら、新鮮なものを仕入れ、仕入れたあとはその鮮度を保つことにも気を配りたいと考えるでしょう。
ここでは野菜の鮮度が落ちる原因や鮮度を維持する方法のほか、食べ頃の見分け方や野菜を仕入れるときに重視したいポイントを解説します。

野菜の鮮度が落ちるデメリット|商品価値が失われる

野菜の鮮度が落ちることで生じるデメリットはさまざまです。
最も目立つものは、見た目が悪くなることです。光沢やみずみずしさは、鮮度が落ちるとともに失われてしまい、美味しそうとはいえない見た目になってしまいます。また、味や食感が悪くなり、栄養価も下がります。
野菜は鮮度が落ちるにつれ、商品価値が失われていくのです。
さらに、傷んだ野菜をやむなく廃棄することになれば、金銭的な損失にもつながるでしょう。
これらのようなデメリットを避けるためにも、野菜の鮮度にはできるだけこだわりたいものです。

野菜の鮮度が落ちる4つの原因 

収穫された野菜を新鮮な状態に保つため、鮮度が落ちるメカニズムを探りましょう。
野菜の鮮度劣化につながる要因として、以下の4つの事柄が挙げられます。

①水分の蒸発

野菜には多くの水分が含まれています。
たとえば、きゅうりや大根に含まれる水分の割合は約95%、キャベツは約93%、じゃがいもやさつまいもなどのいも類でも60〜80%です。
野菜は収穫されたあとも自らの水分を蒸発させながら成長し続けるため、野菜に含まれる水分量は時間が経つにつれ減少します。
組織がやわらかい野菜は、特に水分の蒸発による影響が出やすく、はり・つやが無くなくなってしまい商品価値が失われます。
水分の蒸発は野菜の鮮度に大きくかかわっているのです。

②呼吸による栄養の消化

野菜の呼吸も鮮度の劣化を招く要因の1つです。
野菜は常に呼吸をしています。呼吸により野菜自身に含まれるビタミンCや糖分などの栄養分を分解してエネルギーを作り、消費し続けています。
収穫されて水や養分の補給を絶たれた野菜は、生命活動を維持するために収穫前よりも盛んに呼吸し、自らが持つ栄養分を消費していくのです。そのため日に日に鮮度が落ちてしまいます。
より多く呼吸した野菜ほど、鮮度の劣化が進んでしまうといってよいでしょう。

③エチレンガスの発生

野菜が呼吸とともに放出する植物ホルモンの1種がエチレンガスです。
エチレンガスには野菜や果実の熟成を促す作用があります。
りんごやトマトが赤く色づいたり、ももやバナナが甘くやわらかくなったりするのも、エチレンガスの働きによるものです。
このエチレンガスは野菜をおいしく熟成させる一方で、老化・腐敗を促す要因でもあります。
また、エチレンガスを放出する野菜自身だけでなく、周りにあるほかの野菜にも影響を与え、鮮度劣化を早めることもあるのです。

④生長作用による変化

植物が育って大きくなることを生長といいます。この生長も野菜の鮮度に影響を与えます。
たとえば、ねぎ・アスパラガス・春菊などは、上へ生長しようとする性質の強い野菜です。
このような野菜を寝かせて保存すると、収穫前と同じ状態に戻ろうとして葉や穂先、茎を重力に逆らって上へ持ち上げようとします。
そうすることにエネルギーを使ってしまうため、曲がって形が悪くなるだけでなく、味や栄養価も落ちてしまうのです。

野菜の鮮度を維持する4つの方法

ここでは、前述した鮮度劣化の原因を踏まえ、野菜の鮮度を維持する方法について紹介します。
気を付けたいポイントは以下の4つです。

①湿度を管理する

野菜に含まれている水分を保つためには、湿度を管理することが重要です。
大きめの野菜は新聞紙で、小さめの野菜はキッチンペーパーで包み、水分の蒸発を防ぎましょう。
ラップや袋ですっぽり覆うのも効果的です。
こうすることで野菜の水分を適度にキープし、はり・つやが無くなることを防げます。
一方で、たまねぎやじゃがいもは表面を乾かすことが大切です。水分を含んだ状態で置いておくと、発根・発芽をしやすくなってしまいます。
乾かしたあと、たまねぎは風通しのよい場所に、じゃがいもは新聞紙にくるんで冷暗所に保存しておくと、長持ちさせられます。

②温度を調整する

冷蔵庫に入れて冷やすという手法は、野菜の保存方法としてポピュラーです。
低温下に置くことで野菜の呼吸を抑えられます。野菜は呼吸すればするほど鮮度が落ちるため、呼吸を抑えることで鮮度が保てるのです。
とはいえ、そのような野菜ばかりではありません。夏野菜といわれるトマトやピーマン、ほかにも土の中で育つさつまいも・たまねぎなどは、低温が苦手です。
こういった野菜を低温にさらすと、低温障害を起こす恐れがあります。そのため、冷蔵庫には入れず常温で保存するとよいでしょう。
直射日光の当たらない、冷暗所に置くことをおすすめします。

③エチレンガスの発生を抑える

熟成を促す目的があるとき以外、エチレンガスを放出しやすい野菜とエチレンガスの影響を受けやすい野菜は、一緒に保存しないようにしましょう。
エチレンガスの放出量が多い果物は、りんご・ももなどです。エチレンガスの影響を受けやすい野菜としては、きゅうり・ブロッコリーなどが挙げられます。
エチレンガスは落ちた葉や野菜くずなどからも発生することがあります。野菜室に残ってしまっている場合は、こまめに取り除きましょう。
また、発生したエチレンガスを取り除くため、エチレンガス分解フィルタを搭載した冷蔵庫や、エチレンガスを吸着する鮮度保持剤を使用することも有効です。

④適切な保管状態を保つ

野菜を保管する際、それぞれの野菜が育った状態を再現するような置き方を工夫しましょう。
立った状態で育てられた野菜は、横に寝かさず立てて保存することがおすすめです。
ほうれんそうや小松菜の場合は、葉を上にして立たせて置きます。
キャベツや白菜は根本を下にして、きゅうりはヘタの部分の「なり口」を上にして置くとよいでしょう。
また、泥付きの大根やねぎは、洗わず泥が付いたまま新聞紙に包んでおくと、より長く鮮度をキープできます。

成長度合い別|野菜の食べ頃と具体例

野菜はどれも収穫したての方がおいしいように思われますが、そのような野菜ばかりではありません。
収穫してすぐよりも、時間が経ったほうがおいしくなる野菜もあります。
最もおいしい時期を見極めるために、野菜の成長度合い別に具体例を挙げ、食べ頃をご紹介します。

発芽後すぐ

発芽してすぐに食べた方がよい野菜として知られているものが、もやしです。
もやしとは豆類や穀類の種子を発芽させた新芽で、野菜工場で人為的で安定的に栽培されています。
代表的な種類として、緑豆もやし・大豆もやしなどがあります。
豆もやしの場合、食用とするのは種の部分である豆そのものや、発芽したばかりの芽・茎・根です。
出荷されてから時間が経つにつれて成長し、やわらかさを失ったり傷んだりするため、購入後すぐに食べることがおすすめです。
水に浸して冷蔵庫に入れておくことで日持ちさせられますが、もやしに含まれるビタミンCは水に溶け出してしまいます。
栄養価が損なわれないうちに、できるだけ早く食べましょう。

成長している途中

とうもろこし・アスパラガス・ほうれんそうなどは、成長している途中が食べ頃の野菜です。
これらは成長しきってしまうと苦味や硬さが出てしまうため、未熟なうちに収穫して市場に出回ります。
このうち、とうもろこしは収穫された時点から糖分がでんぷん質に変化し始め、糖度が落ち始めます。
皮付きの状態で購入し、できるだけ早めに茹でたり焼いたりなどの調理をすることがおすすめです。
アスパラガスは成長が盛んな時期に収穫され、収穫後も育ち続けます。
横にしておくと上に伸びようとする力が強く働くため、保存する際は新聞紙にくるんで冷蔵庫の中に立てておきます。
長期保存は考えず、すぐ食べるようにしましょう。

成熟したあと

トマト・にんじん・さつまいも・カリフラワーなどは、成熟したあとが食べ頃の野菜なので、十分に成長してから収穫します。
これらは成熟前だと硬かったり味が薄く感じられたりして、おいしく感じられない場合があります。
たとえば、赤くなる前の若いトマトは、追熟を待ってから食べることがおすすめです。この追熟に役立つものがエチレンガスです。
未熟なトマトと一緒にりんごをビニール袋に入れ常温で保存すると、りんごから放出されるエチレンガスがトマトの追熟を早めます。
また、さつまいもは収穫後しばらく経ってからが食べ頃です。なぜなら、土から掘り出したのち、さつまいもの持つでんぷん質が徐々に糖分へと変化していくためです。
土を落とさずに表面を乾燥させてから1つずつ新聞紙に包み、2週間ほど常温で保存してください。甘みが増しておいしくなっていることでしょう。

野菜の仕入れで重視するポイント

野菜の鮮度を保つ方法や食べ頃について紹介しましたが、そもそもよいものを選ばなければ、鮮度を保つ意味がありません。
ここでは、野菜を仕入れる際に重視するとよいポイントについてご紹介します。

品質|味や見た目にこだわる

まず重視したいものが品質です。味や見た目にこだわって、できるだけ新鮮な野菜を仕入れたいと考えている方は多いでしょう。
野菜を自分の目で確かめて仕入れるならば、小売店や業務用スーパー、市場のように、直接手に取って野菜を見られる場所へ出向くことがおすすめです。
また、生産者から直接仕入れるというケースも増えています。お店の特色に合った生産者と出会えれば、新鮮で安全な野菜を産地直送で入手できるようになります。

価格|値段の高騰・人件費削減に備える

仕入れ価格も重視したいポイントです。
お客様の満足につながるよう品質にこだわることは大切ですが、利益を出すためのコスト管理も避けては通れません。
野菜の価格高騰はいつでも起こり得る問題ですし、飲食店の場合は価格高騰で原価率が上がってしまうと人件費などのコスト削減の必要が出てきます。
品質のよい野菜を使った原価率の高いメニューだけでなく、原価率を抑えたメニューも時間帯次第で取り入れていきましょう。

効率|他の業務に支障が出ない

仕入れには、業務全体の効率を考えることも重要です。
先に触れたように、小売店や市場へ出向いて野菜を仕入れようとした場合、買い出しにかかる時間のロスという問題が生じます。
効率を優先するなら、他の業務に支障が出ないよう、決まった時間に希望した野菜を配達してもらえるような仕入れ方法もおすすめです。
また、調理の負担を軽減するために、皮むきやカットなどの下処理をした野菜も仕入れてみてはいかがでしょう。

安定|大量・定期的な仕入れに対応する

業種次第では、日々大量の野菜を定期的に仕入れる必要があり、そういった求めに安定して対応できる仕入れ業者を選ぶことが重要となります。
その際、国産の野菜にこだわりすぎるのはハイリスクです。気象変動により収穫量が不安定になった場合、それに伴う価格の変動も大きくなります。
安定した量を安定した価格で仕入れるために、海外からの輸入野菜を採用することも視野に入れることをおすすめします。
また、余分に仕入れてしまうことのないよう、仕入れの量と頻度の管理も怠らないようにしましょう。

新鮮な野菜を仕入れるための業者の選び方

新鮮な野菜を仕入れるためには、業者選びが重要です。扱う野菜の種類や価格は業者によって異なるため、特色をよく見て選びましょう。
注文する際にもさまざまな方法があります。電話やネットでの注文、定期注文など、注文方法で業者を選ぶこともおすすめです。
交通の便が悪い、あるいは買いに行く時間がとれないなどの場合は、直接配送してくれる業者を選ぶのがおすすめです。配達可能なエリア・手数料・配達が休みの日などを事前に確認しましょう。
旬の野菜を仕入れるなら、大手の野菜卸業者を選ぶことがおすすめです。仕入れ量が多いため単価が安く設定されていて、新鮮な野菜を低価格で購入できます。
野菜ソムリエと呼ばれる野菜の専門家がいる業者を選ぶのもよいでしょう。野菜選びについて相談したり、新たなメニューを提案してもらったりできます。
それぞれの業者が質のよい野菜を扱っているかどうか、ときには口コミを参考にしつつ、自分の目でも常にチェックしましょう。

まとめ

野菜は鮮度が重要です。こちらでは鮮度を維持するための方法や、食べ頃の見極め方などについて解説しました。
すぐに実践できることも数多くあります。こうした小さなことの積み重ねで、野菜の鮮度やおいしさを保てるのです。

ベジクルは、鮮度管理・熟度管理を追求していくために400坪の大型物流センターを保有し、スピーディーに配送できることがベジクルの強みです。
「新鮮な野菜が欲しい」「旬の野菜の提案が欲しい」など、お困りごとがあれば、ぜひご相談ください。
お問い合わせは、お電話、メール、フォームから24時間受け付けております。

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